建設業の業種|電気工事業とは?内容と許可取得の要件を解説!

電気工事業の重要性と内容

電気工事業の概要と社会的役割

電気工事業は、現代社会において不可欠なインフラの一部を担っています。

発電設備送配電設備照明設備、さらには構内電気設備など、幅広い分野における電気関連の設置工事が電気工事に該当します

これらの設備は、私たちの日常生活や経済活動を支える重要な要素であり、電気工事業はその根幹を担っていると言えます。

例えば、照明設備は、公共施設やオフィス、家庭において、安全で快適な環境を提供するために必要不可欠です。

また、発電設備や変電設備は、電力の安定供給を支える基盤として機能し、特に近年では、再生可能エネルギーの普及に伴い、その重要性が増加しています。

これらの設備が適切に機能するためには、高度な専門知識と技術が求められるため、電気工事業者の役割は極めて重要です。

さらに、社会のインフラとしての電気工事は、自然災害時の復旧作業や、都市のインフラ整備においても重要な役割を果たしています。

特に、大規模な停電が発生した際には、迅速かつ的確な対応が求められ、電気工事業者は社会の安全と安定に寄与する存在となっています。

このように、電気工事業は、私たちの生活を支えるインフラの一翼を担うとともに、社会全体の発展と安全を守る重要な役割を果たしているのです。

行政書士
西野

現代社会において、電気がない生活は想像できませんよね…

その意味で、電気工事業は単なる「工事」という領域を超えて、社会インフラの重要な要素となっています。

電気工事業の工事内容

建設業法では、電気工事業を次のように定義しています。

電気工事とは「発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備などを設置する工事」のことを指します​。

具体的な工事の例を挙げると、次のようなものがあります。

電気工事の具体例

  • 発電設備工事
  • 送配電線工事
  • 引込線工事
  • 変電設備工事
  • 構内電気設備(非常用電気設備を含む)
  • 照明設備工事
  • 電車線工事
  • 信号設備工事
  • ネオン装置工事

発電設備工事

送配電線工事

証明設備工事

ただし、太陽光パネル(ソーラーパネル)の設置工事には注意が必要です。

屋根と一体型になっている太陽光パネルの設置工事は、屋根工事に該当します。詳しい内容は「屋根工事業」のコラムで解説していますので、是非ご覧になってください。

太陽光パネルの設置工事は、屋根工事なのか電気工事なのかややこしい部分がありますので、左の記事で確認してください。

行政書士
西野

電源関係配線関係照明関係太陽光発電関係など、大体イメージ通りのものが電気工事に該当してきます。

その中でも、太陽光パネルの設置工事は、場合によっては屋根工事に該当するので注意が必要です。

よく間違えられがちですが、エアコン設置工事は電気工事ではなく、管工事です

電気工事業の許可取得に必要な要件

電気工事業に限らず、建設業許可を取得するための要件は概ね共通しています。

ここでは、建設業許可を取得するための基本的な要件を確認しておきましょう。

許可を取得するための基本的な要件

500万円以上の工事を請け負う場合、建設業法に基づいて許可を取得する必要があります。

許可を取得するためには、いくつかの基本的な要件を満たさなければなりません。

主な要件には、経営業務の管理責任者の要件、専任技術者の要件、そして財産的基礎の要件があります。

1. 経営業務の管理責任者の要件
経営業務の管理責任者は、建設業を適切に運営するために必要な経験と知識を持つ者であることが求められます。

2. 専任技術者の要件
専任技術者は、工事の専門的な技術を担う重要な役割を果たします。

すべての営業所において、工事に関する専門知識を持つ技術者が常駐することが求められます。

3. 財産的基礎の要件
許可を受けるためには、請負契約を履行するために必要な財産的基礎または金銭的信用を有していることが求められます。

これは、建設業者としての経営が健全であることを証明するための重要な要件です。

左のコラムで建設業許可を取得するため要件を解説しています。

要件についてもっと知りたいという方は是非ご覧になってください。

行政書士
西野

建設業許可の要件の中でもクリアするハードルが高いのが、「経営業務の管理責任者」「専任技術者」の要件です。

以下では、「経営業務の管理責任者」と「専任技術者」の要件に焦点を当てて見ていきます。

経営業務の管理責任者

「経営業務の管理責任者」とは、営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、経営業務の執行等建設業の経営業務について総合的に管理した経験を有する者のことです。

もっと分かりやすく言うと、個人事業主として、建設業を営んでいた建設会社の役員をしていた場合などが代表例です。

この「経営業務の管理責任者」としての経験期間が、建設業の業種を問わず5年以上あれば、経営業務の管理責任者の要件をクリアすることができます。

他にも経営業務の管理責任者の要件を満たす場合はあります。詳しくは以下のコラムを参照してください。

左のコラムでは、経営業務の管理責任者の要件について詳細に解説しています。

経営業務の管理責任者の要件についてもっと詳しく知りたい場合は是非ご覧ください。

専任技術者の資格要件と実務経験

専任技術者の要件を満たす方法はいくつかあります。

ここではその方法を確認しておきましょう。

許可取得のために持っておきたい資格

経営業務の管理責任者の要件をクリアしていることが前提となりますが、以下の資格者がいれば、専任技術者の要件を満たします。

資格者等一覧

[技術検定](合格証書)

  • 一級電気工事施工管理技士(※)
  • 二級電気工事施工管理技士

[技術士試験](登録証)

  • 建築・総合技術監理(建設)(※)
  • 建設『鋼構造及びコンクリート』・総合技術監理(建設『鋼構造及びコンクリート』)(※)
  • 電気電子・総合技術監理(電気電子)(※)

[電気工事士試験](免状)

  • 第一種電気工事士
  • 第二種電気工事士免状交付後、3年間の実務経験が必要

[電気主任技術者試験](免状)

  • 電気主任技術者(第1種~第3種)免状交付後、5年間の実務経験が必要

[補足]

(※)の資格を有していれば、特定建設業の専任技術者になることもできます

・電気工事業の実務経験には注意が必要です。
 「試験合格後」ではなく、「免状交付後」に実務経験を積んでいる必要があります

許可取得のための資格等がない場合

結論から申し上げると、実務経験のみで電気工事業の専任技術者になることは不可能です。

というのも、電気工事に関しては、電気工事士法の規定により無資格者の実務経験が認められていないからです。

これにより、無資格者がいくら電気工事の実務経験を積んでいたとしても、実務経験としてカウントしてもらえません。

ただ、実務経験と学歴を合わせると、電気工事業の専任技術者になれます

実務経験と学歴の場合

実務経験の他に一定の学歴があれば、5年または3年にの実務経験を積むことで、電気工事業の専任技術者になることができます。

学歴として、主に「高校卒業」、「大学卒業」、「専門学校卒業」が想定されています。
以下に表としてまとめておきますので参照してみてください。

卒業した学校学 科 等短 縮 年 数
高校卒業電気工学または電気通信工学に関する学科5年
大学卒業3年
専門学校卒業
高度専門士専門士
3年
専門学校卒業
(上記以外)
5年

電気工事業の許可に関するQ&A

実務経験を証明する場合に必要な書類は何ですか

実務経験を証明するための疎明資料として、一例ですが以下のようなものが挙げられます。

実務経験証明書に記載した工事に係る請負契約書

発注者からの注文書

発注者証明書

申請する自治体によって異なるので、必ず「手引き」を確認するようにしてください。
自治体によっては、請負契約書や注文書がない場合、請求書の控えとそれに対応する入金額が分かる通帳の写しを求められることもあります。

電気工事の許可しか持っていませんが、別の工事が含まれていても問題ありませんか?

電気工事業に付随して他の工事(例えば、管工事やとび電気通信工事など)を請け負うことは、建設業法上問題ありません

ただし、複数の工事が含まれた工事では、金額の割合に応じて中心となる工事が判断されるので注意が必要です。

例えば、電気工事(工事金額350万円)に付随して、管工事(工事金額200万円)電気通信工事(工事金額50万円)を請け負ったとします(合計金額600万円)
この場合、金額からして大工工事の金額の割合が一番大きいので、電気工事が中心の工事と判断されます

そして、上の例の場合、600万円の電気工事を請け負ったと考えて問題ありません。
つまり、複数の工事が含まれる工事(2以上の業種)において、中心となる工事(1業種)だけの工事と考えても良いということです。

補足ですが、上記の例では、結果として500万を超えることになるので、「電気工事業」の建設業許可(中心となる工事の許可)が必要になります。

まとめ

本コラムでは電気工事業について、内容と要件をまとめました。

建設業の許可は複雑で、マニュアルが公開されているものの、非常に分かりにくいことが多いです。

また、何の書類が必要かよくわからず、申請書の作成も煩雑で時間がかかってしまいます。

電気工事業許可の取得を検討されている方は、是非弊所にご依頼ください。

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新規建設業許可申請代行 120,000円(税込み)で承ります。
※上記金額とは別に、自治体に納付する申請手数料90,000円が必要となります。

申請してから許可証が送付されるまで30日~45日程度かかります。

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行政書士
西野

建設業許可は手続きや要件、添付書類が複雑なうえに、役所毎にローカルルールが存在します。
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