建設業の業種|石工事業とは?詳細について解説!
石工事業って具体的にどんな工事が含まれるんだろう?
何となくのイメージはあるけれど、具体的な工事や許可取得のために必要なことが分からない…
『石工事業』は主に石材を扱う工事のことです。
一口に「石材を扱う」といっても内容は様々です。
このコラムでは、石工事業の定義を確認し、具体的な工事名を挙げて解説していきます。
また、石工事業の許可取得のために必要な要件も確認しますので、是非最後までご覧ください。
石工事業とは?
石工事業(石工事)とは、「石材(石材に類似のコンクリートブロックおよび擬石を含む)の加工または積方により工作物を築造し、または工作物に石材を取付ける工事」のことを意味します。
石工事は名前からイメージが付きやすいかもしれません。具体的な工事の内容としては以下のような工事になります。
石工事業の具体例
- 石積み(張り)工事:床や壁の仕上げとして見栄えを浴したり耐久性を高める目的で、主にエントランスや外構に施工される工事のこと
- コンクリートブロック積み(張り)工事:法面工事のコンクリート部分や、擁壁を造る工事のこと。
- 墓石工事:墓石の加工および墓地の基礎工事
石積(張り)工事
コンクリートブロック積み(張り)工事
上で挙げた「コンクリートブロック積み(張り)工事」は注意が必要です。
というのも、「コンクリートブロック積み(張り)工事」は「石工事」だけでなく、他業種の「とび・土木・コンクリート工事」と「タイル・れんが・ブロック工事」に該当する場合があるからです。
コンクリートブロック積み(張り)工事の区分
「石工事」に該当するのは、建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、又は擁壁としてコンクリートブロックを積み、またははり付ける工事です。
一方、「とび・土工・コンクリート工事」に該当するのは、根固めブロック、消波ブロックの据付け等土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事、プレキャストコンクリートの柱、梁等の部材の設置工事です。
そして、「タイル・れんが・ブロック工事」に該当するのが、コンクリートブロックにより建築物を建設する工事(エクステリア工事を含む)です。
一口に「コンクリートブロック積み(張り)工事」といっても、内容によっては異なる業種になり、取得すべき許可が変わってくるので注意が必要です。
なお、この区分については『建設業の業種|とび・土工工事業とは?詳細を解説!』のコラムでも解説しています。是非ご覧ください。
石工事業の許可所得のための要件
建設業の許可を取得するためには、前提として「経営業務の管理責任者」の要件を満たしている必要があります。
「経営業務の管理責任者」については左のコラムで詳細を解説していますので、詳しく知りたい方は是非ご覧になってください。
許可所得のために持っておきたい資格
「経営業務の管理責任者」の要件をクリアしている場合、以下の資格者がいれば、石工事業の許可を取得することができます。
資格者等一覧
[技術検定]
- 一級土木施工管理技士(※)
- 一級土木施工管理技士補(合格後、実務経験が3年必要)
- 二級土木施工管理技士【種別:土木】
- 二級土木施工管理技士【種別:鋼構造物塗装・薬液注入】(合格後、実務経験が5年必要)
- 二級土木施工管理技士補【種別:土木・鋼構造物塗装・薬液注入】(合格後、実務経験が5年必要)
- 一級建築施工管理技士(※)
- 一級建築施工管理技士補(合格後、実務経験が3年必要)
- 二級建築施工管理技士【種別:建築・躯体】(合格後、実務経験が5年必要)
- 二級建築施工管理技士【種別:仕上げ】
- 二級建築施工管理技士補(合格後、実務経験が5年必要)
- 一級造園施工管理技士(合格後、実務経験が3年必要)
- 一級造園施工管理技士補(合格後、実務経験が3年必要)
- 二級造園施工管理技士(合格後、実務経験が5年必要)
- 二級造園施工管理技士補(合格後、実務経験が5年必要)
[技能検定](2級の場合、実務経験が3年必要)
- ブロック建築・ブロック建築工・コンクリート積みブロック施工(いずれか)
- 石工・石材施工・石積み(いずれか)
[補足]
・(※)の資格を有していれば、特定建設業の専任技術者になることもできます。
・二級土木施工管理技士の合格証に何も書かれていなければ、「土木」の合格証です。
「鋼構造物塗装」と「薬液注入」の場合、カッコ書きで合格証に明記されています。
・二級建築施工管理技士の合格証に何も書かれていなければ、「建築」の合格証です。
「躯体」と「仕上げ」の場合、カッコ書きで合格証に明記されています。
許可所得のための資格がない場合
こちらも「経営業務の管理責任者の要件」を満たしていることが前提となりますが、資格者がいなくても専任技術者になることができます。
基本的に2パターンのなり方があるので、確認しておきましょう。
実務経験のみの場合
実務経験のみで専任技術者になろうとする場合、実務経験が10年必要です。
この10年の実務経験は、石工事業の実務経験でなければならないので注意が必要です。
こちらのコラムでは専任技術者について詳しく解説しています。
専任技術者についての詳細な情報が知りたい方は、合わせてご覧ください。
実務経験と学歴の場合
実務経験の他に一定の学歴があれば、10年の実務経験を5年または3年に短縮することができます。
学歴として、主に「高校卒業」、「大学卒業」、「専門学校卒業」が想定されています。
以下に表としてまとめておきますので参照してみてください。
卒業した学校 | 学 科 等 | 短 縮 年 数 |
高校卒業 | 土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科を含む。) または建築学に関する学科 | 10年→5年 |
大学卒業 | 〃 | 10年→3年 |
専門学校卒業 (高度専門士・専門士) | 〃 | 10年→3年 |
専門学校卒業 (上記以外) | 〃 | 10年→5年 |
専門学校を卒業されている方で、高度専門士または専門士の称号をお持ちの方は、大学卒業と同じ扱いとなります。
称号をお持ちでない方で、専門学校を修了された方は、高校卒業と同じ扱いとなります。
石工事業の許可取得に関するQ&A
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実務経験を証明する場合に必要な書類は何ですか
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実務経験を証明するための疎明資料として、一例ですが以下のようなものが挙げられます。
・実務経験証明書に記載した工事に係る請負契約書
・発注者からの注文書
・発注者証明書
申請する自治体によって異なるので、必ず「手引き」を確認するようにしてください。
自治体によっては、請負契約書や注文書がない場合、請求書の控えとそれに対応する入金額が分かる通帳の写しを求められることもあります。
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石工事業の許可しか持っていないのですが、他の工事が含まれていても問題ありませんか
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石工事業に付随して他の工事(例えば、舗装工事やとび・土工工事など)を請け負うことは、建設業法上何ら問題ありません。
ただし、複数の工種が含まれた工事では、金額の割合に応じて中心となる工事が判断されるので注意が必要です。
例えば、石工事(工事金額350万円)に付随して、舗装工事(工事金額200万円)ととび・土工工事(工事金額150万円)を請け負ったとします(合計金額600万円)。
この場合、金額からして大工工事の金額の割合が一番大きいので、石工事が中心の工事と判断されます。そして、上の例の場合、「600万円の石工事を請け負った」と考えて問題ありません。
つまり、複数の工事が含まれる工事(2以上の業種)において、中心となる工事(1業種)だけの工事と考えても良いということです。補足ですが、上記の例では、結果として500万を超えることになるので、「石工事業」の建設業許可(中心となる工事の許可)が必要になります。